2010.03.18

あの場所といま。

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夕方風が吹いている高台に登って
なんとなく漂ってくる肥の匂いをかいで

はるかに続くまるで異星の砂漠みたいな
実に変わった乾いた景色がピンク色に染まるのを見ていると
全てが思い込みだとやっと分かってくるのです

私はどこにいても同じだし
だからどこにも行けない

そしてさらに同じ理由で
どこにでも行けるともいえるというのが真実だと


『王国』よしもとばなな より



自分が何者でもなくなったとき
限りなく広がる大海原のような空に
ひとつの真をみる

あの場所も人の心も
この身を飾るさまざまなものも

誰のものにもならないということ

だから大切なのだということ


いつだってわたしは
そのイマジネーションを旅する鳥になれる

だからこそ

こうやって息をして
声を言葉にして
人の心に惹かれて
この足で歩く

この「今」が大切なのだと


がらんとして何もなくなったあの場所は
とても静かではじまりのにおいがした

雨が降る前の木々がざわめきだす
あの瞬間のにおいのように

すべてを空にしてしまいそうになる
その瞬間の音が心地よくて

わたしはそこに大の字に寝て空を仰いでみた


遠くから夢の続きを話す鳥の声に混じって
ここを通り過ぎた幾つもの人の足音がきこえてくる

そのうちわたしは路の途中にあるこの場所で
一休みをしている旅人になり

ここを訪れた来客者と何一つ変わらず
はじめてここを訪れた客人になった

わたしはもうここの住人ではなくなっていた

それはとても心地よいはじまりで
何もかもが解き放ち、旅立った瞬間だった




***
新月あけ
お元気ですか?

わたしはひとつの引越しを終え
ほっと一息ついているところです

いまはどこか森の
きれいな河のそばで
星空をみて チャイでも飲みながら
ゆっくりしたい気分です

この島にきてから
たくさんの経験をさせてもらっています

たくさんの大切な仲間もできました

自分が自分でいられることは
思いのほか生きるのにとっても大切なことなのだと
あらためて感じています

arigato


すてきな日々を
















この記事へのコメント
僕にとっては

あの日が最初で最後の、その場所で
手にしたプレゼントは

無事に、大事な人へ届けることができました

もう、この想いが伝わらないのはわかっていますが

真っ直ぐな自分でいられたことに


有難う
Posted by kazu at 2010.03.24 04:53 | 編集
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