2008.12.14

白の残像

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夢から覚めた

見渡すと紺碧に藍色がかすんだ空が広がっていた

そこには白い白い残像が浮かんでいて
それは惑わすことのないまっすぐな光のようで
微かな希望を与えてくれた

私は「やっと手放せたんだな」と思った

長い夢だった

私はその中で生きる唯一の主人公だった

不安や苦しみ、哀しみでさえも
物語は自分の意思で決められていった

それが美しい芸術であるかのように
それは真実の愛であるかのように

意思が意思あるべく振舞った

物語はとてもドラマチックだった
運命と名づけられた始まりの出来事は
私をさらにこの物語へと没頭させた

自分の中でつくりあげた光がつきまとい
ゆらゆらと闇夜に浮かぶ光に私は惚れた

幻想的に神秘的に灯される光は
すべてを知っているように
舞台の英雄を演じた

光の中に包まれた虚像に私は浸って
心の青も黒に混ぜて光だと信じ込んだ


自分がその物語を書いている著者だと気がついたのは
随分物語が進んでからだった

僅かに見え隠れするその光という虚像を
私は信じるという言葉で隠した

それでもふいに自分を見つめた瞬間
一瞬で物語の光は錆びていくのが分かった


それでも物語はとても美しかった
繰り返される映画のようなシーンは感情を高めさせ
かつて出会ったことのない自分自身をみることができた

それが虚像であれ幻の光であれ、
私にとっては魂に触れた瞬間だった


私は夢から覚めた

ここはいま空っぽだ
そこにわずかな白い光を携えて
次の国の飛行機を待つトラベラーのように

淡い期待が私を静かに通り過ぎて合図をした






***
満月あけ、みなさんお元気ですか

先日ピカソの展示会に行ってきました

私は「青の時代」のある一枚の絵に心が揺さぶられました

全面に深海のような青が塗りたくられ
その青は人の心情の深い部分と重なるところがあり
なかなか目が離せなくなる絵でした

私はその青に塗られたキャンパスに
白い絵の具をのせ人の顔を描くピカソの
その心はどういったものなのか知りたくなりました

私にはその白を塗るという行為そのものが
とても希望に満ちたものに感じました

遠くからみたらその青の中にある白は
深い夜に浮かぶお月様にもみえて
とても美しかったです



今月26日から沖縄に行きます
新月をむかえ、年越しは久高島で過ごします

すてきな日々を












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