2008.02.17

3116461628.jpeg

帰り際の電車の中で泣いた

泣き虫なくせに最近の心は防波堤のような
かたい囲いがあって 心は涙を流すことを忘れていた

久しぶりの涙がよりによって電車の中だなんて
よっぽど心は涙を我慢していたんだなと思う


沖縄に、大切な縁のある人が住んでいる
久しぶりに連絡をしてその人の声をきいた

久しぶりの声は
すごくたくましさを増している気がして

大木の根のように
しっかりとした安心感を与える何かがあった


なぜ関東に沖縄を離れて戻ったのかときかれた

私は都会から逃げて沖縄に住んだ事に、ある時気づいて
それから自分のやりたいことに本気で接する為に
こっちに帰ってきた と答えた

その人は
「自分も逃げて沖縄に来たのかもしれない。
でもまたそんな自分に逃げるのが嫌でさ。
自分の中でちゃんと跡をつけたいんだ。」
と答えた

私はその言葉をきいてから
跡というその言葉がずっと心にループして

それは新しいなにか衝撃が心に響いたような
言い換えれば、強い魂に触れて、自分の魂が震え立つような
そんな感覚が充満して、拭えなかった


私は沖縄を離れて帰ってきてからの3年間の記憶をあさった

その記憶はまるでストーリーのないモノクロ映画のように感じられて
かすかに浮かぶ旅の記憶とライブの記憶が
やっと色を見せるくらいで
自分自身の中で「これ」といった跡を見いだせなかった

自分は跡をつけれているのだろうか自問した

大好きな島の生活を離れて
都会の雑踏に時に順応しているふりをして
時に道を踏み外して

それでも選んだこの路の中で

私は本当に真っ正面にやりたいことにぶつかっているのか
やりたいということに満足してしまって
一番こわいところに勇気を出して進むことを、逃げてるんじゃないか

頭の中で、どんな過去も必要なプロセス とか
どんな生き方もちゃんと跡をつけられている とか
そうなだめてみても
自問は止まらなかった

跡を自分の中で明確にビジョンや言葉にも表現できないこと
3年間、あまりにもあっという間にその時が過ぎていたこと

そして何よりも自分の中で原色の跡が浮かばなかったことが

悔しかった


いつもと同じ帰りみち
いつもと同じ行き先の電車

疲れきった仕事帰りの人が寄りかかって寝ている
いつもと同じ電車の すみに座って

気を抜いたその瞬間、その悔しさが心いっぱいに風を吹かして
涙が溢れた


時に今という瞬間に精一杯になってもいい
回り道をしたっていい
誰かに甘えたっていい

自分が自分であるために

自分が自分の中にちゃんと
跡を残せるような生き方をしたい



電車から降りて冬の冷たく研ぎ澄まされた空気に触れて
澄んだ星空を見上げたら


久しぶりの涙の雨は止んでいた