2007.05.23

カル

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夕暮れのせわしなく動く人の音と、車のクラクションの合唱の中
私は突然、田んぼの中を夕日に向かってバイクで走りたくなった

それは紛れもなくウブドの記憶の欠片が、残映としてよみがえり、
この身体の脳の指令と繋がり、欲求と化したのだった

それは突如として私の中の何かを呼び覚ませようとした
ただひたすら何かに向かいたくなった

神に会いに行こうと思った
言葉を言い換えるなら、自分の内面の「神」と向き合おうと 思った


生まれた時からそばに在る、私にとって母親のような
実家の近所の神社に向かった

夕日の朱色は境内の大木と苔が光を放っているように魅せ
まるで時の空を鳥が自由に舞い、時間の枠を溶かしていくようだった

私の中の欲求は何かで満たされた

カル・・・

そうカルという言葉にその「何か」は言い表すことができる
ヒンドゥ語でカルは、明日をも意味をし昨日をも意味をする

未来も過去もを併せ持ち、奇妙にもそれが共存する瞬間
その瞬間を欲し、私はそこに向かった

過去のバリでの記憶とこれから旅する先のインド
ヒンドゥの神が私の中によみがえり、また訪れようとしている
ただそれは言いようのない確信の様なものとして強く私の中に存在した

カルという時空を超えた空を舞う鳥たちが
私を過去へと、また未来へとつながる天空に導く

そこには南の花びらと どこか懐かしいお香の煙が立ちこめ
手を合わせ、祈りの唄を歌う声が夕日の光の隙間に見える
ただただ美しい光景が広がっているのだろう



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