2007.04.15

灯のイニシエーション

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秋の夜に鳴く虫のように、私は夜は夜の色が好きだ
その日も電気を消して蝋燭を灯し、セージを焚こうとした
まるで私の中でつくりあげられた、暗闇がいっぱいになった時にする
自分だけの決まり事のように

ライターがたまたま切れていて、マッチを久しぶりに使った
一瞬にして燃え上がる炎に、一瞬のストーリーがそこに充満した

太陽を凝縮した熱い鼓動のような、実体のないようにも錯覚する光
灯のイニシエーションがそこに存在した

何とも言い換えようのない香りと
どこかで感じる木の吐息
それは一瞬のストーリーを包み込むように、煙となって天へと消えた

その日の暗闇に灯された光は特別だった
外に真実を求めようと、行く当てのない旅をした後の
虚無感でいっぱいになった私を癒した

そして光にまるで真実はそこだよと
自分の内面を指さされているようだった

今日も一瞬の儀式を何人の旅人が通過していることだろう
ふと夜の片隅で揺れる光が私の心を通り過ぎる







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